ファウスト 終戦管理局報告書：第0409号 Name. Faust Height 282cm Weight 55kg Birthday Unknown Bloodtype Unknown Type Human (？) 流浪の闇医者として知られる当該個体は、近年までさして重要視されていなかった。 だが、ここに至って、いくつかの情報が急浮上してきた。 医療の技を応用し、自身の肉体さえ変形させることによる変則的な闘法、 そして、空間歪曲、瞬間移動を含む、高度な法力操作技術は、我々に、失敗に終わったあるプロジェクトを想起させる。 もしも、推測が事実であるならば、当該個体の捕獲は、ただちに優先順位を引き上げるべきであろう。 危険度はＢとする。 RiskRating : B 「医者は、治すのが仕事です。」 ファウスト そこを行く お嬢さん。 一回戦イノ そんなに血の臭いをさせて どこへ行きます？ 　 イノ あら、そういうあなたも 血の臭いがぷんぷん してるわよ？ 　 ファウスト 私は、これでも 医者ですから。 　 イノ へぇ、 お医者さんなんだ。 　 私のあとに ついてくる？ 　 そうしたら 大もうけできるわよ？ 　 ファウスト 治療より予防が 大事ですよ。 　 あなたのねじ曲がった 性根を治療して さしあげましょう。 　 イノ 吐いてろっ！ 　 イノ ちっ。こんなとこで 油売ってる暇 ねぇっての。 二回戦ジャム ファウスト ……逃がしは しませんよ。 　 ジャム ……そこの 変体袋頭！ 　 ファウスト わたしのこと…… ですか？ 　 ジャム アタシの店 燃やしたの アナタアルカ？ 　 ファウスト 違いますとも。 今、人を追っているので 失礼しますよ。 　 ジャム 逃げるとは 怪しいアルネ。 ちょっと待つアル！ 　 ネクロ KWOOOOOON! 三回戦デイズィー ファウスト ……お久しぶり、と 言える状況では なさそうですね。 　 これも、あの女の 仕業ですか。 　 ちょっとした 荒療治に なりますよ！ 　 ディズィー ううん……。 四回戦スレイヤー ファウスト もう大丈夫ですよ。 　 スレイヤー ほう、あれを止めるのは 私の仕事と思ったが。 　 ファウスト どちらさまですか？ 　 スレイヤー こちらが 聞きたいくらいだ。 　 ギアでなし、人でなし、 何者だね？ 　 ファウスト これでも人ですよ。 あなたこそ、ギアでなし、 人でなし、カラクリでなし。 　 スレイヤー 利害が一致したな。 君の正体確かめさせて もらう。 　 ファウスト 良いですとも。 解剖学的な興味が あります。 　 ファウスト 異種、ですか。 話には聞いていましたが、 素晴らしい代謝構造だ。 五回戦チップ スレイヤー 妙な誉め方を するな。 　 そっちこそ 人間がそこまで 研鑚できるとはな。 　 ファウスト 医師が医師たらんとすれば こうならざるを得ません。 そんなわけで、ちょいと失敬。 　 スレイヤー 面白い男だ……。 あれも人の未来の形の 一つなのか？ 　 ファウスト ちょっと そこをゆく御仁。 　 ずいぶんと怪我を されているようですな。 　 チップ るせぇ。 俺は医者と薬が 大っきらいなんでい。 　 ファウスト その瞳、その覇気。 大きな戦いに赴くつもり でしょう。 　 チップ だったら どうした？ 　 ファウスト その傷でゆくのは 無茶というものですよ。 　 チップ テメェに 関係ねぇだろ。 　 ファウスト そうは行きません。 時間はとらせません。 治療して差し上げましょう。 　 チップ 治療ってな、 その人斬りメス 使うのか？ 　 ファウスト 遺憾ながら。 　 エディ アノ女ノ言ッタ通リダ。 六回戦エディ 貴様ノヨウナ 人外コソ 我ガ殻ニフサワシイ。 　 ファウスト いけない！ その病状では 絶対安静ですよ。 　 エディ ソウダ！ ソノからだヲ 寄越セェェ！ 　 ファウスト ……残念です。 　 ファウスト あなたを止めねば なりません。 七回戦ソル イノ いつから医者が 正義の味方に なったんだい？ 　 ファウスト 医師ではありません。 人として、です。 　 死と苦痛を 撒き散らすのを 看過できません。 　 イノ この袋頭の 変体白衣殺人鬼が。 　 ファウスト うっ！？ 　 イノ 知ってるぜ。 テメェが笑いながら何人も何人も 切り刻んだのをなぁ。 　 今さら 罪滅ぼしの つもりかよっ！ 　 ファウスト 奪った命は 償えません。 　 ……だが私は もう一度逃げる わけにはいかないのです。 　 イノ ……けっ 正義面しやがって。 ED ファウスト しゃべってはいけない。 　 イノ テメェ、今でも 本当は好きなんだろ？ 　 血を浴びながら はらわた、えぐるのがよっ……。 　 ファウスト 今は、眠りなさい。 　 確かに、 死と破壊の喜びは 　 未だ、この手の中に あります。 　 とはいえ 人は選ぶことができる。 　 血にまみれた手でも どこかでは必要とされている。 　 その喜びこそが、 私には大切なのですよ。

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prezented by Akasa Rira 2002